最近、昼間に繁華街を歩いてみると、両手ではとても持ちきれない量の家電製品や化粧品の袋を持って歩く人たちが目立ちます。日本人の財布の紐が固いと言われているなか、中国から数十名で連れだって商品を買い占める彼らの行動は「爆買い」と呼ばれ、流行語にもなっています。

この爆買い、いったい日本にとってどのような影響があるのでしょうか。

メリットとデメリットをみていきましょう。

メリット

メリット① 日本のメーカーや小売店の売上増加

「Made in Japan」という言葉を聞くようになって20年以上が経過しますが、爆買いのお客さんが日本で商品を買い占める理由はひとつ。

日本製品は変わらず品質の高いブランドだからです。中国に返って日本製品の多い生活は、暮らしの豊かさを占めるステータスになる、といわれています。故障せずに使える期間も長く、アフターサービスも充実しています。

最近は爆買い後のフォローを整備し、カスタマーセンターに中国語を話すことのできる方が常駐している企業もあります。

メリット② 買い物以外の産業にも恩恵

爆買いは中国から何十人というスケールで来日するため、恩恵を受けるのはメーカーや小売店だけではありません。関係する様々な産業にも寄与します。具体的な例をいくつか見ていきましょう。

(1)飛行機・バスなどの交通機関

中国から日本各地への飛行機、繁華街へのバス。交通会社が爆買いから受ける恩恵は相当なものがあります。「観光バスに乗ったら、日本人が自分だけだった」という話も。一説によるとLCC(格安交通会社)が日本だけこれだけ短い時間に浸透したのも、爆買いによる効果だ、という指摘もあります。

(2)宿泊施設

実はあまり報道されない最近の社会問題に、「東京や大阪などの観光地では宿泊施設が軒並み満席で、泊まる場所がない」ということがあります。

爆買いによる大人数の宿泊で、ホテルや旅館が高稼働率を記録しています。経済的に豊かな彼らの需要が高いことによって、ホテルの宿泊額の相場が高騰している、という報告もあります。ここ最近急速に規模を拡大している「民泊(みんぱく)」の裏には、爆買いの効果があるのですね。

(3)語学学校

爆買いのお客さんに商品を販売するのには、当然中国語を使用してのやり取りが必要です。

先述した列車やバスのガイド職の方も、中国語の習熟を急いでいます。大都市圏での中国語を扱う語学学校では、やはり販売の場で彼らに接客をする店員さんの、中国語を学ぶ姿が目立ちます。

(4)観光スポット

購入後、せっかくの日本を堪能しようと、各地の観光スポットが賑わいます。

浅草・銀座といった観光地も、いまや中国語が飛び交っています。また、東京ディズニーランドや大阪のUSJといった大型遊園地が好調な来場者数を記録しているのも、爆買いのお客さんが来場しているから、という見解もあります。

このように、日本経済を浮揚するために、大きな効果を生んでいる爆買い。日本経済が上向きになる、頼もしい消費活動ですね。一方で、デメリットはどのような点なのでしょうか。

デメリット

デメリット① 転売する消費者も?

最も大きな指摘が、転売している購入客が多いのでは」と懸念です。爆買いの様子を見ていると、歯ブラシ数十本近くをまとめて購入するお客さんもいます。国に返り何倍もの値段で転売されている、という指摘もあります。

デメリット② マンションの共同使用

正式な手続きも経ていない賃貸マンションの共同使用も増えています。

集団で寝泊まりをして夜中騒ぐことによる騒音問題も懸念されています。ゴミや駐車場のマナーも日本では見逃せないものもあり、多くの苦情が生まれているようです。なかには日本人が賃貸借契約を結んで、中国人にまた貸し(転貸)をする場合は大家さん側でも防ぎようがない、というケースも。

条例などを整備して、そこで生活している方と問題を起こさない工夫が必要ですね。

この他に少し難しい話ですが、爆買いにより急激に円の価値が下がる「円安」が進みます。この円安により、外国の製品が高くなることと、海外旅行にかかる費用が増えることが危惧されています。

日本は外国製品の需要も高い輸入国でもあります。生活を圧迫する大きな問題ですね。

今後はどうなるのか

この爆買い。実はまもなく下火になるのでは、と言われています。

中国も急激な景気減速が報じられています。合わせて中国政府による「外貨を使い過ぎないようにする方向性」により、今後は少しずつ勢いを失っていくのでは、との指摘があります。恩恵を受けているメーカーや小売店は、「今後の対策」を真摯に考えなくてはいけない時期に来ていますね。

ただし、一方で日本の人口減少や少子高齢化も深刻です。

日本人で最も貯蓄金額が高いと言われて久しい高齢者層が、よりお金を使うよう、また購買意欲の高い若年者層にお金が回るよう、官民ともに対策をしていくことが大切ですね。

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