「実は経営苦で消費税を払えなくて、倒産しなければいけないかもしれない…」

サラリーマンであるあなたが、ある日いきなり会社の上司からそんなことを言われると、「はっ!?」と思ってしまうかもしれません。なぜそんなことが起こってしまうのか。

しかしこれは珍しい例ではありません。実は、「税金が払えない」という会社の多くは消費税滞納により、窮地に追い込まれていきます。

経営者にとっては耳の痛い話かもしれませんが、その理屈がよくわからない人のために「消費税滞納が起こる『なぜ』」と、「滞納してしまったときの対策」について考えてみましょう。将来起業したときに役立つかも!?

なぜ企業は消費税を滞納してしまうのか

私たちが日常的にアレコレのものを買ったときに支払う消費税。

これは間接税です。私たちは確かに購入した商品・サービスに対する消費税を支払いますが、それを実際に税務署に納税するのは、お店であり、企業です。つまり、お店がもらう消費税は決して儲けではなく、「預り金」というわけですね。時期が来れば一括納税する必要があります。

しかし、すべての会社がこの消費税を「預り金」としてきちんと積み立てておけるわけではありません。

会社としては、「今、手元にあるお金」という認識なので、資金繰りに困ったときには、消費税に手を付けてしまうことだってあるわけです。

つまり、運転資金として消費税を使ってしまったことで、納税の時期になった際に「あっ足りない」という状況になり、滞納してしまう――こういうケースも実によくあります。

また、もう1つ、消費税滞納が起きる大きな理由も。

それが、消費税は「赤字でもかかる税である」という点です。たとえば1000円で仕入れた商品の売れ行きが不調で、仕入れ値に値下げしても売れない場合は、まさか捨てるわけにもいかないので会社としては赤字覚悟で半値の500円でも売ろうとするでしょう。

しかし、500円で売って、利益どころか「損」しかない時にも、消費税は納める必要があるのです。

現状(2015年 消費税8%)ですと、40円。そういう状況が続けば、ただでさえ痛い赤字を税でえぐられて経営が厳しくなるのは誰にでも想像がつきますよね。

消費税が赤字でも課税される悪税であることは以前から問題視されていますが、今のところ状況は変わっていません。今後また税が上がれば、企業の悲鳴も大きくなるでしょう。

増税に触れたついでにお話ししておくと、消費税アップも、会社にとっては悩ましい事態です。

上でも解説した通り、消費税は原則として「預り金」です。ただし、回収する消費税が、たとえば5%が8%になると、単純に手元に残るお金が大きくなったようにも感じられ、会社としても、困ったときに手を付けたくなる「誘惑」もまた大きくなるのです。

消費税滞納を避けるためには?~滞納してしまったときにはどうする?

滞納の予感が濃いときには、なんとしてでも銀行融資を受けて支払うべきでしょう。それに尽きる、といっても過言ではありません。

消費税は、滞納すると恐ろしい延滞金がかかってしまいます。最初の二か月に関しては公定歩合の4%増しで済みますが、それ以降はなんと年14.6%と、マチ金並み。銀行の利息の方が、よほど好意的です。

「銀行には相談したけれど、無理だった…もう倒産するしかない?

いえいえ、そんなこともありません。どう頑張っても納税資金が準備できなかったときには、税務署に実情を素直に話してみてください。これまでも常習的に滞納していたという過去がなければ、大体は「分割納付」に応じてくれます。

ある程度の支払い能力、交渉能力は求められるかもしれませんが、もし分割納付計画書を出してそれを認めてもらった場合には、延滞税を公定歩合の4%増しに減額してもらえます

銀行の利息と比べると少々高いですが、それでも14.6%取られるよりはずいぶんとマシですよね。黙って滞納を続けることほど愚かなこともありません。

また、もし分割納付計画が守れなくなってしまったときにも、もう一度税務署に出向いてください。納税の意思さえあれば、分割条件の再変更にも好意的に応じてくれます。

倒産は、最悪の場合のやり方です。

差し押さえ可能な財産が一切なく、役人等の個人が銀行借り入れの保証人にもなっていない、また個人資産も担保に入れていない場合、つまり回収できるお金が一切ない場合には、倒産すれば国税が泣いてくれます。しかし、これはあくまでも裏ワザ。社会的な信頼も地に墜ちますし、取引先からも白い目で見られます

消費税滞納が起きるワケと、もし滞納してしまったときの対策、ご理解いただけたでしょうか?

もし今後、あなたの会社の上司、役員が「消費税を払えなくて…」と苦い顔で打ち明けてきたら、裏側ではそんなことが起こっています。

経営者でない人は、その実情を聞かされたらどうすればいいか? ――正直、そんな会社はすぐに辞めて転職した方がいい…かもです。

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