2014年に貸金業の総量規制を緩和することが検討されているといったニュースが報じられました。

それから、少し時間は経っているのですが、現段階では音沙汰はありません。安保法案やTPPの件もあったので、検討が後回しになっているのかもしれませんが、今後の経済状況によって、この問題が再浮上する可能性も十分考えられます。

ということで、今回は総量規制とはどういうったものかをおさらいするとともに、見直しがされることで考えらる問題について見ていきたいと思います。

何の為の総量規制だったのか

2010年に導入された「総量規制」

総量規制は元々過剰な貸付に対して返済が出来ない人が増え、自己破産などの債務整理をする人も増えた事が社会問題となり、それを抑制する意味も含み導入された感があります。

また貸付側もそれまでグレーゾーンと言われた29.2%での貸付が出来なくなり、改定された貸金業法による20%までの貸付により倒産した金融会社も多数出ました。しかし結果として過剰な貸付と借入が減り、ここ4年間は落ち着いた感があったのは事実です。

ただ、総量規制の導入により借入れしたくても出来ないというケースが増えたのも事実で、それは個人だけでなく中小企業の倒産もありました。

今回政府が総量規制に更なる見直し案を打ち出した背景には、景気回復への支援策という形にはなりますが、果たして本当に施行された場合、個人やにはどの様な影響があるのでしょうか?

また過剰な貸付が行われてしまうのか

年収の3分の1以上までの借入れというのは、借りる側からすると、かなり大きな壁となっています。

大きな出費である車の購入や家のリフォームなど、普通であれば銀行でローンを組みたいのですが、銀行の審査は相変わらずの厳しさで、中々借りれないのが現実です。消費者金融やクレジット会社から融資を受れば、年収300万円だと借りれるのは100万円となり、買いたいと思ったものが買えないというのが現状です。

ただ、それがあったからこそ、必要以上の借入れをしなくて済んでいるので、貸す側と借りる側双方にとって良い関係が築けていたはずです。

それが、再び年収の3分の1以上まで借りれる様になった場合、どうなってしまうのでしょうか?

政府内では、総量規制が導入される以前のような状態になり、過剰な貸付や借入れが増えることは懸念されています。確かに、また導入前の様な、計画性のない借入れと貸付は問題を産む可能性が大いにあります。

ただ、一度総量規制を導入した事により、貸付を行う側、つまり消費者金融やクレジット会社は、そう簡単に過剰な貸付は行わないと考える意見もあります。

特に消費者金融などは以前の過剰な貸付により、返済を行えなくなった人が多く大きなダメージを受けた上に、過払金の請求などで潰れてしまった消費者金融も数多くあるという背景があるからです。

また総量規制の改定では認可された業者のみ、と計画されているので全ての金融会社が認可を取れるとも考えにくいのが現状です。

総量規制の見直しで考えられる問題

さて総量規制の改定により、個人利用者にはどの様な影響が考えらるのか?というのが大きな懸念材料とされていますが、いくつかの不安点を考えてみます。

1.再び多重債務者が増え、返済できなくなる人が増える?

これについては、一番に不安視されていますが、実際に導入前と同じ状況は起こりにくいと感じます。

なぜならば導入前は貸す側であったキャッシングを行う会社も、貸付金利が制限された事により売上の減少過払い金の請求で大ダメージを受けたなどという背景があるので、過剰な貸付はあまり考えられません。

2.審査が厳しくなる?

1で挙げた様な懸念材料から判断すると見直し案が実際に施行されだ場合、キャッシング会社の審査は厳しくなる?と言うより慎重な姿勢が続く事になるでしょう。

認可を受けたキャッシング会社は、年収の3分の1という壁を超えて貸付が出来るようになりますが、個人の返済能力を見極める事も必要となっていますので、返済能力がないのに大きな金額の融資をする可能性は極めて低いと思われます。

つまり、総量規制の見直し案が実現されても、今の状態とあまり変わらないのでは?とも推測されるというわけです。

しかし、年収の3分の1という借入限度額の壁がなくなれば、多重債務は減る可能性は出てきます。

借入金額は多くても一社で借りる事が基本的には可能な為です。また、各キャッシング会社が、おまとめローンみたいな商品を出せば人気が出る事も考えられます。

総量規制対象外である銀行では、使途自由なフリーローンを今でも出していますが、実際に審査に通る可能性は低く、何の為の商品なのか分からない部分があるのが現状です。

しかし、もし大手消費者金融が金利14%などでそういったローンを出した場合、複数の借入がある人の申込みがあるのではないでしょうか。総量規制の壁がなくなれば、基本的にはいくら融資しても良い訳で、審査の厳しい銀行よりも消費者金融でおまとめをする人も出てくるはずです。

総量規制の見直しは良い事?悪い事?

まだ見直し案としての段階であり、実際に実行されるかどうかもはっきりしていませんが、もし改定された場合、良い事か悪い事かというのは、その時の状況によって変わると思います。

今現在、年収の3分の1まで借入れがある人は、これ以上借りると返済に追われる事になり兼ねません。そうなると、導入前と同じ状況になるだけですので、この点は意識しないといけないと思います。

一方、貸す側である消費者金融やクレジット会社も、29.2%までに利息を上げても利用者は少なくなるのではと警戒もするでしょう。

見直し案は、いわゆる大手と呼ばれる会社の為になる様な案だという指摘もあります。

確かに現実的に認可基準をクリア出来そうなのは、現在、大手と呼ばれているキャッシング会社しか考えられないのが本音です。

借りる側としての個人は、どうしても借入れをしなければいけない状況であれば、高い利息を払っても借りるしかないので、認可を受けた大手でのキャッシングを考える可能性もあり、それが過剰な借入れとなるという心配もあります。

そして、一番怖いのが闇金などの違法な金融会社が再び増える可能性です。

総量規制の枠がなくなれば闇金などの違法な会社は出ると考えがちですが、法律が変わるとそれを利用した詐欺などが増える傾向にあります。

29.2%という利息を巧みに利用して、どうしてもお金を借りなければいけない状況の弱者を巧みに操り、罠にはめようとする悪徳業者が必ず出てきますので気をつけなければいけません。

ということで、ニュースで報じられてから、しばらく音沙汰のない総量規制の緩和ですが、タイミングを見て実施される可能性が十分考えられます。何か動きがあった時には、ここでも記事をあげていく予定にしています。

総量規制の緩和については、ぜひ注目しておいてください。

≫総量規制についてはこちらで詳しく解説しています

この記事が気に入ったら
いいね!してね