失業した際には、何より次の仕事を見つけるまでのお金が心配

しかし、国からの失業保険を出るので、これを利用しない手はありません。広く「失業保険」と言われている社会制度は、実は正式名称ではなく、雇用保険法にある「基本手当」というのですが、ここでは従来的な呼び方である「失業保険」と言い、その具体的なところを見ていきます。

失業保険の給付条件とは?

失業保険は、すべての人がもらえるお金ではありません。

まず、雇用保険に入っていたことが基本的な条件です。そして、失業保険は次なる仕事を見つけるため、それまでのインカムとして支給されるので、姿勢として「就職を希望していること」「仕事を探していること」が大前提です。

ただし、働く意欲はあるけれど病気・事故などで働ける状態にない場合には受給を先延ばしにできるので、それについては窓口まで相談にいきましょう。

一般的な離職者の場合は、仕事を辞めた日から2年を遡って、雇用保険に加入していた期間が通算12か月必要です。また、別の例としては、「特定受給資格者」および「特定理由離職者」の場合は、仕事を辞めた日から前の1年間に、保険に入っていた期間が通算6ヶ月以上必要となります。

では、一般の離職者と、そうでない離職者の違いとは何でしょうか。

特定受給資格者

これは、会社側に何かの原因があって離職した人を指します。いわゆる、会社都合離職者ですね。倒産、解雇によって離職せざるをえなかった人が、特定受給資格者となります。

その他、次のような理由で仕事を辞めたときにも、特定受給資格者として扱われます。

例)
事業所がなくなったり、縮小されたりした
事業所の移転により通勤ができなくなった
賃金が突然、85%未満に減らされた
賃金の未払いがあった(総賃金の3分の1を超える金額が2ヵ月以上未払い)
過剰な時間外労働を強いられた
パワハラ、嫌がらせ、セクハラなどを受けた

特定理由離職者

では、特定理由離職者とは何か。これは、やむを得ない理由で離職した人を指します。

心身の障害、病気、ケガ、体力不足など
妊娠や出産、あるいは育児
家族が要介護状態となった
家族を扶養する必要が生まれた
希望退職者の募集に応じて退職することになった

などなどの理由の場合には、比較的有利な条件で失業保険を受給できるのです。

一般の離職者

これはいわゆる「自己都合退職者」ですね。「一身上の都合」などによって仕事を退職する場合には、「一般の離職者」として扱われ、失業保険の条件も特定受給者とは変わります。

また。定年で退職する方も一般の離職者という分類になります。

失業保険の所定給付日数と具体的な額とは?

「支給総額=基本手当日額×所定給付日数」

結論から言えば、これが失業保険の総給付額となります。

まず、所定給付日数とは何かという点ですが、これは簡単にいえば「失業保険を受給できる日数」のことですね。最短90日~最長360日となっています。

基本手当日額に関する説明は、煩瑣なのであえて省きましょう。また、毎年その内訳と計算方法は変わるので、常に最新の情報でなければアテになりません。詳しくはハローワークのHPから調べてみてください。また簡単に計算できるシミュレーターもあります。

一般的な理解としては、「前職の賃金の約4~8割が、およそ3ヵ月~1年弱の間」、人によって額と期間に差はありますが、生活の保障として支給されるという制度になっています。

失業保険を受給するための手順とは?

貰い忘れることがないよう、失業保険は次に紹介する7つのステップを踏んで確実に受給してください。

1)会社から申請に必要な書類を貰う

離職後には、「雇用保険被保険者証」「雇用保険被保険者離職票」を、必ず貰っておきましょう。

このうち、自己都合か会社都合かに関係する書類は、後者です。退職理由において、会社側と自分の考えに食い違いがないかは、よく確認しておくべきでしょう。

2)申込みはハローワークへ

失業保険の窓口は、職業安定所です。

住んでいる地域のハローワークに必要書類を提出して、同時に「次の職を希望している」ということを伝えましょう。必要書類は上で挙げた2つの他に、公的身分証明書、証明写真2枚(縦3センチ、横2.5センチ。正面上半身を写した、3ヶ月以内に撮影したもの)、印鑑と、本人名義の普通預金通帳となっています。

3)審査

ハローワークの方で、審査があります。受給資格があるかどうか、確認する時間です。

4)待期期間

受給資格が認められてから7日間、「待期期間」があり、この間は給付してもらえません。

また自己都合の退職者は、待機期間のあとに、3か月間の制限期間があります。この期間は失業保険を給付してもらうことができず、特定受給資格者と比べると不利になります。

5)雇用保険受給者に対する初回説明会

集団で失業保険に対する説明を受けます。

6)求職活動

働く意思を示さなければ失業保険を貰うことはできません。

では具体的にどのようなことが求職活動として認められるのかといえば、ハローワークに相談をしたり、仕事の紹介を受けたり、といったことの他、セミナーへ出席するなどの行動も認められます。求人に応募することも、もちろんですね。

支給してもらうためには、2回以上の求職活動が必要とされますが、説明会が1回としてカウントされます。あと1回、何か活動すればOKというわけです。

7)受給

失業が認定され、求職活動を2回以上行なった場合、認定日から5営業日以内に指定口座に失業手当が振り込まれます。

その後は、原則として4週間に一度、認定日がやってくることになります。「失業状態にあるかどうか」を確認する日で、それまでにまた求職活動を行わなければなりません。そこで認定を受ければ支給があり…という繰り返しです。

何でもハローワークに相談してみよう

ハローワークに行くのって、とても憂鬱…

そういう失業者もいることでしょう。とりわけ辛い仕事を辞めた直後には、煩わしいことはすべて忘れて、のんびり時間を過ごしたいものです。

しかし、ハローワークは、何も「働け!」と強制する場所ではありません。事実、「求職活動」のハードルをずいぶんと下げている自治体もありますし、「実のところはしばらく仕事をするつもりはないのだけど」という人にも、暗黙の了解で失業保険を出してくれます(ただ、大原則として求職者を対象とした保険であることをお忘れなく…)。

受給資格のある方はあまり不安がらず、肩の力を抜いて申請に行きましょう。

ちなみにハローワークでは、失業中に「公共職業訓練」を受講することも可能です。スキルアップにもつながるうえ、「技能習得手当」も出るので検討してみるといいでしょう。日額500円ではありますが、スキルがついてお金がもらえるという優れた制度です。

またハローワークでは、会社側の事情によって無理やり自己都合にされた方のための、退職理由の調査も行っています。

パワハラ、セクハラを苦に辞めるのに、「会社都合」にされた方はどうぞ相談してみてください。証拠があれば訴訟して、賠償金も取れますよ。

さらに言えば、アルバイトをしながらでも失業保険を受け取ることもできます。とにかく仕事への意欲がある人に対して、失業保険は心強い味方になってくれる社会保障なのです。

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