新聞を読んでいると、利上げがいつになるか」「利上げが来る」という言葉を耳にすることが多くなりました。

そのニュースには決まってアメリカの女性の顔が映るため、アメリカの出来事なのはわかりますが、日本にも大きな影響があるようです。この「利上げ」。いったいどのようなものなのでしょうか。

「利上げ」はアメリカの政策金利をあげること

利上げのニュースの際、テレビに映る白髪の女性は、ジャネット・イエレン

アメリカの中央銀行であるアメリカの連邦準備制度理事会(FRB)の議長です。中央銀行は日本でいう日本銀行にあたり、アメリカ経済界の中枢にあたります。イエレン議長は、昨年2014年からこのFRBの最高責任者を務めています。

FRBの重要な仕事のひとつに、アメリカの「政策金利をあげること」があります。政策金利はFRBが決める金利で、市場金利の参考値になります。

企業で新たなお店を出すことをイメージしてみましょう。

あるラーメン屋が新しい店舗を出店する場合、経営者の多くは銀行からお金を借り、新たな店舗の建築費や設備投資費に充てます。銀行もボランティアで貸し出すわけはなく、「利息」をつけてお金を貸し出します。この利息が銀行の収益になっていると言われます。

この利息のことを「市場金利」といいます。

ただA銀行とB銀行、それぞれ参考値もなく金利を設定していたらバランスがとれないので、中央銀行が「だいたいこれくらいで考えてください」という基準金利を出します。これが「政策金利」です。政策金利の決定は国ごとに行われます。

そして、いまの政策金利に対して、金利をあげることを「利上げ」。逆に金利を下げることを「利下げ」といいます。

「利上げ」になるとどうなる?

では、利上げになるとどうなるのでしょうか。

利上げになると企業がお金を借りるのに高い金利がかかるため、企業は設備投資に消極的になります。つまり、「世の中にお金がまわらなくなる」のですね

。企業は会社のなかにお金を貯めこむ(内部留保)傾向になるため、従業員への給料や賞与も一般的に抑制され、「これを買いたいな!」という気持ち(購買意欲)が冷やされることになります。

あまりいいことはなさそうですね。では、中央銀行が「利上げ」をするのはどんな時なのでしょうか。

「利上げ」により市場を冷やす

景気がいいのは国にとっても歓迎すべきことなのですが、景気がいいと「インフレ」が起こります。

インフレが進むと物価があがります。100円の品物が150円になるイメージですね。一般の方の給与や収入も合わせてあがればいいのですが、物価ばかりが先行してあがると、今までよりも商品を購入するためのお金が必要になり、家計が苦しくなります。

これを避けるために、政府は「景気の過熱を抑える」必要があり、具体的対策のひとつとして「利上げ」を行うということです。

アメリカの利上げは世界が大注目

アメリカ経済の過熱を冷やすのに、FRBのイエレン議長は利上げを示唆し続けてきました。

そろそろ利上げをするのではないか、という「利上げ観測」が高まっているため、最近は新聞などで「利上げではないか」という言葉が躍っているのですね。ところで、アメリカの利上げがこれほど日本でも報じられるのは何故でしょうか。

アメリカは世界経済の中心

情報をまとめると、アメリカの利上げは今月中旬に開催されるFRB内の意思決定会議で決まり、発表されると見られています。利上げが実際に行われると、2006年以来9年ぶりの利上げになります。

アメリカの政策金利が利上げすると、その影響はアメリカだけにとどまりません。アメリカには国境をまたいで拡大する「グローバル企業」も多く、また日本をはじめとした世界各国とも貿易を通じて大きな影響力をもっています。そのアメリカの利上げは、世界中の景気を抑制する判断材料になり、株価の下落と連動することが多い、と言われています。

経済の大きなキーポイントが、今月中旬に控えているのですね。

ちなみに、日本も中央銀行である日本銀行が政策金利を決定していますが、日本では政策金利と市場金利が連動しない政策をとっています。このあたりはとても専門的な話になるため割愛します。

今回の利上げで株価は変わらない?

では今月中旬の利上げによって、日本の代表的な株式指標である「日経平均株価」はどうなるのでしょうか。

実際のところは利上げ発表にならないとわかりませんが、専門家のなかには「あまり変わらないのではないか」という声も多く聞かれます。

既に利上げが行われることは想定済みであり、その後に企業活動がどうなるのか。株式市場に影響力を与える投資家は既にそこを見ている、とも言われます。いずれにしても、世界に影響力を与える利上げが、目前に迫ってきているようですね。

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