クルマをローンで購入して、毎月一定額を支払している中で、出費が続き口座引き落とし日にローン金額を支払うだけの残金が無く、引き落としができないケースがもしかしたらあるかも知れません。

もし、うっかりして引き落としに見合った金額が残っていなかった場合や、収入減や病気などにより支払えなくなった場合の対応方法、ローンを支払えなくなった場合どのタイミングでクルマが引き上げられてしまうのかなど詳しく解説します。

口座にお金が無い!滞納が発生したら?

引き落とし日に残高が無く、引き落としができなかった場合、引き落とし予定日から2~3日後にローン会社からの電話が来ます。また、督促のハガキも郵送されます。指定の引き落とし日までに、ローン月額と遅延損害金が発生している場合その合計額を支払うことができれば大抵は問題なく済みます

しかし、支払いが出来ず、1か月後の次回の引き落とし日も支払いが出来なかった場合には、信用情報に傷がつくことになります。

長期延滞という金融事故に該当することになります。ただし、初回の督促において、次回引き落とし日に2カ月分+遅延損害金を支払う約束を行い、支払いが完了した場合は問題ありません。何も連絡無しの状態が一番問題になります

おおよそ2か月以上延滞が続くと、支払期日とあわせてクルマの引き上げ期日の連絡が来るようになります。

クルマが引き上げられたらおおむね1か月後には売却されます。売却しても残債が残る場合には、残額を請求されます。最終的には裁判になり、財産、給与の差し押さえになります。

このような事態になる前に、事前に支払いプランを含め相談することが大切です。ローン会社に連絡を取り合うことで何らかの解決の糸口が見えるかもしれません。督促や連絡を無視することが一番やってはいけないことです。

遅延損害金とは?

自動車ローンの支払い延滞すると、通常の金利とは別に、残りの元本に対して遅延損害金が発生します。遅延損害金の利率は、利息制限法で定める利息の1.46倍が上限となっています。

借入額制限利息遅延損害金(上限利率)
10万円未満20%29.2%
10万円以上100万円未満18%26.2%
100万円以上15%21.9%

遅延損害金の利率は非常に高くなっています。

しかし、実際には、遅延損害金を上限まで設定しているローン会社は少なく、概ね利息制限法の制限利率15%から20%に設定している場合が多くなっています。実際自動車ローンの金利は3%から8%前後と考えると、それでも高い金利となるとこがわかります。

遅延損害金の計算方法は以下のとおりです。

ローン残額×遅延損害金の利率÷年間日数(365日)=1日あたりの遅延損害金
1日あたりの遅延損害金×遅延日数=遅延損害金の総額

たとえば、ローン残額80万円で15日間延滞(遅延損害金の利率18%)した場合

80万円×0.18÷365=394.52 1日あたり395円の遅延損害金が発生しますので、15日の場合はおそよ5,925円になります。この段階で収束すれば良いのですが、2か月3か月と続くと金額が膨れ上がり、さらに支払いが困難になります。

何か月滞納したらクルマが引き上げられるの?

自動車ローンを契約した場合には、車検証の所有者欄が、ディーラーローンならディーラー名、信販会社から信販会社の名前になり、所有権留保の形になります。

お客様名は使用者欄に記載されます。全てローンの支払いが完了した場合には、所有者欄もお客様名にするための所有権解除手続きが可能になります。ローンの支払いが終わらないうちには、完全に自分の所有物にはなりません。

一般的に、自動車ローンを3か月滞納すると、クルマが引き上げられることが多いです。ローン会社によっては最短1か月半で引き上げられることもあります

しかし、クルマの引き上げは、ローン会社が勝手に行うことはありません。数回の督促と支払期限を通知したうえで、最終的な引き上げ日時を通知した上でクルマの引き上げを行います。引き上げに同意しない場合には、裁判所に訴えられることになり、強制執行となります。
 
クルマが引き上げられたら1か月後には売却されます

売却した分でローンの残債が完済出来た場合は全て終了ですが、大抵は、残債が残ります。たとえ、残債がゼロになった場合でも、CICやJICCといった信用情報機関に長期延滞や債務整理などの情報として残り金融事故扱いになることに違いはありません

クルマが売却されても残る残債も当然支払う義務があります。しかし、このような状況になった場合には支払えないのがほとんど。

ローン会社は、支払の督促、財産差し押さえなど進め、裁判の上、給料差押えなどの状態になります。なお、裁判への出廷を無視した場合には全面的にローン会社の主張が認められる形になります。

給料の4分の1が差し押さえられる

給料差押えは、全額持っていかれるわけではありません。差し押さえの上限額は、手取りが35万円以内の給与の人は、4分の1を差し押さえられ、残債の支払いに充てられます。手取りで35万円を超える人は、4分の1を引いて、さらに35万を超える部分が差し押さえの対象となります

ここまで来ると、会社に借金の支払いが困難になったことがバレることになります。

信用情報に傷がつくとどうなるの?

信用情報とは、信用情報の機関に登録された氏名や住所、ローンやクレジットなどの信用取引の利用実績などの情報です。現在、国内には、株式会社シー・アイ・シー(CIC)株式会社日本信用情報機構(JICC)全国銀行個人信用情報センター(全銀協)の3つの信用情報機関があります。

金融機関やローン会社は、ローン申込者の信用情報を上記の信用情報機関の情報をチェックして、契約が可能かどうかを判断しています。

自動車ローンを2か月(61日)以上延滞した場合、延滞情報が登録されます。長期の延滞として金融事故扱いとなり、この情報は5年間登録されます。

信用情報機関に金融事故として登録されると、自動車ローン、住宅ローン、新規クレジットカードの発行などできなくなり、いざお金が必要なときに非常に困ることになります。

自動車ローンをメインで紹介していますが、もっと身近なもので、携帯電話の機種代を分割して支払っている人は、携帯電話の代金を延滞し続けることで信用情報に金融事故として登録されます。自動車ローンよりも起こり得る事かもしれませんので、携帯電話を分割で利用している人は頭の片隅に置いておくことをおすすめします。

支払いが困難になる前の対策

もう、支払えないとお手上げ状態になる前に対策を考えることが大切です。

現在借り入れている自動車ローンの金利が4%から5%の場合には、2%から3%の金利の安いローンに借り換えることを検討しましょう。

借入額支払回数金利支払額/月
100万円60回払い4.9%18,800円
100万円60回払い2.5%17,700円

1,100円月々の負担が減ります。また、借り換えと同時に支払い期間を延長する方法もあります。仮に金利2.5%で支払回数を84回にすると12,980円になり月々の負担はさらに少なくなります。

なお、借り換えの際にも審査が必要です。現在借りている自動車ローンの支払いが、過去6か月以内に延滞が無いことが条件になっていたりする場合があります。現在の自動車ローンの延滞が発生する前に対策を行うことが大前提になります

現在支払中のローンの延長を検討しましょう。しかし、自動車ローンは原則返済期間の延長は行えません。

信販会社のオリコのマイカーローン「ニューパジェットローン」やアプラスのオートクレジット「フリープラン」なら支払期間の延長や短縮が可能で、オリコの場合最長120回まで延長可能です。しかし、信販会社のこれらのマイカーローンの金利は高めですので契約時点でよく考慮することが必要です。

原則返済期間の延長が出来ない自動車ローンの返済期間の延長を認めてもらうためには、「災害によりり生活に困窮している」「給与が減少してしまった」などの理由が必要です。

「オリコオートローンの種類と特徴を徹底分析」
「アプラスのマイカーローンの特徴を徹底分析」

ローンの借り換えも支払期間の延長を考えても支払の見通しが立たない場合、ローンの借り換えも支払期間の延長も出来なかった場合には、クルマの売却を検討しましょう

クルマの価値は毎月下がっていきます。また、クルマを引き上げられてしまい安値で売却されて、残債が多く残るよりは、買取店同士競合させて少しでも高値で売却できれば、残債が無くなる場合や、逆に買取金額が高く、残債を支払っても手元にお金が残る場合も出てきます。

買取店同士競合させるためには、インターネットによる一括査定申込みが最も効果的です

買取店に売却が決まった場合には、買取店はローン会社との所有権の解除等の手続きを行いますので全て任せることが可能になります。

買取店に売却しても、残債が残ってしまう場合には、フリーローンなどを契約して支払続ける必要があります。マイカーローン金利よりも高く設定されていますが、毎月の支払額は確実に少なくなります

支払いが困難になり、自動車ローンを延滞する前にこれらの対策を講じることができれば、信用情報に傷がつくことなく、自動車ローンの問題を解決することができます。再び、収入が安定しクルマを購入する際には、再びローンを契約することも可能で、クレジットカードも持つことが可能になります。

「車買取査定に申込んでみた!査定の流れと高く買ってもらうコツ」

消費者金融からの借り入れは傷口を拡大

自動車ローンが支払えなくなることに焦り、カードローンなど消費者金融からの借り入れは、一時的には延滞を回避できますが、その後まとまったお金が入る予定が確実な場合のみ有効です

概ね1から2か月以内に、全て完済してしまえば、カードローンの高い金利での利息分も少なく済みます。

カードローンや消費者金融ローンを頻繁に利用し、遅延なく返済し完済している場合でも、注意が必要なのが、次回自動車ローンやクレジットカードの審査において不利になることです。審査で、カードローンや消費者金融ローンの利用履歴も審査の対象となる場合も少なくありませんので注意が必要です。

しかし、大抵は、まとまったお金の予定が無く、その場しのぎの借り入れになります。借金は雪だるま方式に増え、利息分も大きくなり余計傷口が拡大してしまいます。借金が膨れ上がる前に、クルマを手放すことがおすすめです。