今や自動車保険は保険料を比較して乗り換える時代。自動車保険の乗り換えは慣れてしまえば簡単なのですが、慣れるまではちょっとだけコツが必要です。

中でも重要なのが等級の引き継ぎ

等級が引き継げなければ、保険料が超割高な「新規扱い」になりますし、間違えて申告して「悪意があった」と判断されると一方的に契約を解除されることもあります。そこで、自動車保険の「絶対失敗しない乗り換え方法」をわかりやすく説明していきたいと思います。

失敗しないためのマストアイテムは「いまの保険証券や契約画面」

自動車保険を乗り換えるために必要な書類は、ほとんどの保険会社で共通していて以下の4点です。

  • 運転する人の運転免許証
  • 現在の契約内容がわかる書類
  • 車の車検証
  • 現在のオドメーターの値

この中でも、重要なのが「現在の契約内容がわかる書類」です。基本的には「保険証券」がこれに当たりますが、保険証券でなくても「現在の正しい契約内容」がわかればオッケーです。

通販系損保であれば、公式ホームページの「お客様ページ」や「マイページ」などで確認できます。自動車保険を乗り換える時は、現在の契約内容をもとに新しい契約内容を組み立てますし、満期の期日や現在の等級などを正しく把握できなければ、上手に等級を引き継げないので、必ず用意してください。

特に大切な項目はこちらです。

  • 現在の等級
  • 過去の保険金請求回数
  • 事故あり係数の適用の有無および、適用年数
  • 証券番号
  • 保険の満期日

書類が用意できたら乗り換え先の保険会社を決定する

乗り換えのために必要な書類が用意できたら、次は新たな保険会社を探します。

現在の保険会社のどこに不満があったかによって、乗り換え先の保険会社の選び方は変わります。例えば、「保険料が高すぎる」ことに、不満があるのであれば、少しでも保険料が安い保険会社を探す必要がありますよね。

逆に「保険料は安かったけど事故対応がひどかったら、ほかの保険会社に乗り換えたい」という方は、保険料よりも事故対応力を重視しなければなりません。

安い保険料の自動車保険を探したければ、インターネットの一括見積もりサイトを利用したり、通販系損保に乗り換えたりすると保険料が節約できます。事故対応力を求めるのであれば、通販系だけでなく代理店系損保を選択肢に入れましょう。

代理店系損保の全てが事故対応力が高いわけではありませんが、代理店を選べば満足できる事故対応をしてもらえる可能性が高くなります。

「一括見積もりサイト」や、「通販系損保への乗り換え」など、自分なりに方法で新しい保険会社が決まったら、手続きは半分以上終わっていますので、次のステップに進んでください。

「自動車保険の一括見積もりは危険?ネット見積もりの実話」

乗り換えのタイミングは「満期の2ヶ月前の申し込み」

自動車保険のベストな乗り換えタイミングは、満期2ヶ月前の申し込みです。

通販系損保の中には「早割」と呼ばれる、満期の期日よりも早く申し込んだ方限定の割引制度が用意されています。通販系損保で早割が用意されているのは、セゾン自動車保険火災、イーデザイン損保、チューリッヒです。

こちらが各社の早割適用期間と割引額です。

保険会社早割適用期間割引額
セゾン自動車保険火災50日or30日600円or400円割引
チューリッヒ45日500円割引
イーデザイン損保45日500円割引

セゾン自動車保険の50日が最長なので、できれば2ヶ月前までには乗り換えの準備をしましょう。

これらの保険会社が乗り換え先ではない場合の乗り換えタイミングは「1ヶ月前」です。実際のところ、2週間前でも問題ありませんが、不備等を考えると1ヶ月前までに手続きをしておくのが無難です。

入力内容等にミスがある場合、保険が有効にならない可能性があります。

満期前に乗り換えたいときは「電話で申し込み」が必須

自動車保険は「満期日」での乗り換えが基本です。満期日の乗り換えであれば、インターネットで見積もることができます。

ところが、満期日の前に現在の契約を「中途解約」してから乗り換える場合は、どの保険会社でもインターネットの乗り換えは不可能です。電話でオペレーターと話す必要があります

つまり、通販系損保の大きな割引「インターネット割引」が適用されないのです。多くの保険会社でインターネット割引は5000円から1万円ほどに設定されているので、保険料は割高です。

しかも、満期前に乗り換えると、等級が乗り換え前と変わらないまま1年間過ごさなければなりません。

例えば1月1日満期で等級が10等級の場合、11月に乗り換えると、再び10等級のまま翌年の11月まで契約することになります。満期まで待てば11等級で契約できるので、たった1ヶ月我慢をしなかったばかりに11ヶ月間も無駄に高い保険料を支払うことになります。

だから、現在の保険会社がどうしても気に入らないとしても、なんとか満期日まで待って乗り換えるようにしてください

「安い自動車保険を徹底比較!プロが教える保険の裏側」

自動車保険乗り換えの際の等級引き継ぎ方法

皆さんもご存知のように自動車保険は「等級」によって保険料が決まります。

事故を起こしていなければ毎年1つずつ等級が上がっていって、どんどん保険料が割安になる仕組みです。ほとんどの保険会社同士で「等級引き継ぎ」ができるので、高い等級の方も安心して乗り換えましょう。

ただし、保険会社や条件によっては、引き継ぎができない場合があります。

等級引き継ぎができない保険会社

以下の保険会社は等級の引き継ぎができない可能性があるのでご注意ください

  • トラック共済
  • 町村職員共済

トラック共済はほとんどの保険会社で引き継げません。町村職員共済は引き継げる保険会社と引き継げない保険会社があるので注意しましょう。

等級引き継ぎができない場合

自動車保険の乗り換えにあたって等級引き継ぎができないのが「満期日から8日以上経過している場合」です。

8日以上経過してしまうと新規の6等級からスタートするので、手続きは早めにしておきましょう。「8日以上経過したら新規等級になるなら、6等級未満の人は8日間放置したらお得だね」と思うかもしれませんが、そこは憎いほどちゃんとシステムが整えられています。

なんと、保険会社の「等級共有システム」では、13ヶ月は「5等級以下の等級のみ」等級情報が保存されてしまうのです

つまり、どんな等級の方でも「保険の空白期間」を作りたくなければ満期日から8日以内に乗り換え手続きを完了させてください。

保険はそのままで保険の対象となる車を切り替える場合はこちらをご覧ください

「車を買い替えた時の自動車保険切り替えのタイミングは?等級は?」

インターネット見積りの一番の注意点「事故歴」

自動車保険を乗り換える際に注意しなければならないのは「事故歴」です。

自動車保険は、事故の有無によって等級が変わります。また、過去3年、最長6年の事故歴によって「事故あり係数」が適用される期間が変わります。

原則として、保険金を請求すると3等級、もしくは1等級ダウンします

さらに、その期間は「事故あり係数」が適用されて同じ等級でも、事故がない人と比べると割高な保険料になってしまいます。だから、乗り換えの手続きの際には「この1年で保険金請求をしたかどうか」と、過去の保険金請求履歴を確認しておいてください。

過去の履歴については保険証券を見ればわかりますし、今年の分は覚えているはずです。

通販系損保の場合はマイページで確認できますので、チェックしておきましょう。自分でよく分からなければ、現在加入している保険会社のカスタマーセンターに連絡をすると詳しく説明してもらえます。

ただ間違えたとしても、その後保険会社同士の「情報交換システム」により正しい情報に修正されますので、それほどビクビクする必要はありません。

等級を間違えた経緯に「悪意」や「故意」がなければ、そのまま本来の等級に訂正されます。その際には、保険会社から確認の連絡が入りますので、必ず電話に出て話を聞いてください。

放置しておくと、契約が解除される可能性があります。

車の乗り換えや名義変更などの際の手続きについて

新車や中古車を購入した場合、乗り換えたら即日契約している保険会社に連絡をして「車両入れ替え」の手続きを依頼してください。

全ての保険会社で必要になる書類は「新しい車の車検証」です。

ダイレクト系損保の場合は、公式ページに手続きフォームが用意されていますし、代理店系損保の場合は代理店さんに電話かメールで連絡した上で、車検証を送付すればオッケーです。

車を買って乗り換えた場合の注意点は「名義が変更されてから30日以内」に手続きをすること。先に車検証上の名義が変わっているのに自分の手元に、新車が届かず、届いた時には30日近く経過していた場合はすぐさま手続きをしなければ、新しい車には補償がつきません。

車を乗り換える場合は、自動車保険の「車両入れ替え手続き」なるべく早く行いましょう。

自動車保険を乗り換えるデメリット「長期割引」が適用されなくなる

自動車保険を乗り換えるデメリットは、ほとんどないのですが唯一あるとすれば「長期割引」の恩恵が受けられなくなることです

代理店系損保から通販系損保に乗り換える場合は、長期割引なんて吹いて飛ぶほど大幅に保険料が安くなるので、気にする必要はありません。

しかし、通販系損保から通販系損保に乗り換える場合は、長期割引がなくなることで保険料が少し高くなる可能性もありますので、しっかりと見積もりを比較するようにしましょう。

まとめ

最後に、今回の内容をおさらいしておきましょう。自動車保険を乗り換える場合に注意する点はこちらです。

  • 乗り換え手続きの際は「現在の契約がわかるもの」を必ず用意すること
  • 現在の契約の保険金請求履歴を把握しておくこと
  • 乗り換え手続きは2ヶ月以上前に行うと、早割が受けられる保険会社がある
  • 満期日から8日以上経過すると等級が引き継げない
  • 新車や中古車に乗り換えた場合は「車両入替」手続きを、名義変更日から30日以内に依頼すること

自動車保険の乗り換え手続きは、これらの注意点さえ守ればとっても簡単ですので、保険料を安くしたい方、補償を充実させたい方はぜひ挑戦してみてくださいね。