近年、よく耳にするようになった新しい車の買い方「残価設定型ローン(通称:残クレ)」

「○年ごとに新車に乗れる!」
「月々○千円で車に乗れる」

といったうたい文句に魅力を感じた人も少なくないでしょう。

残価設定型ローンは魅力的に映りますが、カーディーラーなどのホームページを見る限り、そのデメリットはあまり説明されていません。実は、残価設定型ローンは上手に使わないと、普通の自動車ローンよりも、かえって高くついてしまうこともあるのです。

そんなデメリットをしっかりと理解した上で、残価設定型ローンを使うかどうかを考えるようにしましょう。

残価設定型ローンの金利は高い?

残価設定型ローンの金利は、普通の自動車ローンよりも高い金利設定になっていることが多いです

2017年8月10日現在、三菱UFJ銀行の「ネットDEマイカーローン」の金利は1.85%~2.5%、住信SBIネット銀行の「MR.自動車ローン」の金利は1.075%~7.975%なのに対し、Hondaのクレジット会社であるホンダファイナンスの残価設定型ローンの金利は3.5%となっています。

最低金利で借りられるかどうかは条件次第ですが、残価設定型ローンの方が高い金利になりそうです。

また、残価設定型ローンでは、月々の返済額を抑えるというメリットがデメリットにもなることに注意しましょう。

契約期間終了時に残ったローンを、下取りで返済したり買い取ってお金を支払ったりします。そのため月々の返済額が少なくて済むのですが、元本の返済がゆっくりになってしまい、その分だけ金利が多くかかってしまうのです

実際に、金利分の支払額がどれくらいになるのかを、事前にしっかりと確認しておきましょう。

「三菱UFJ銀行ネットDEマイカーローンの特徴と借りやすさ」
「住信SBIネット銀行 MR.自動車ローンの特徴とディーラーローンとの違い」

残価設定ローン中に事故をしたらどうなる?

残価設定型ローンの利用中に、事故をしてしまった場合にはどうなるのでしょうか。

仮に、自動車が廃車で使えなくなってしまった場合であっても、ローンがなくなるわけではありません。返済はし続けなければならないのです。もちろん、残価設定型でないローンを利用していても同じことですし、現金一括で購入していた場合でも車が使えなくなる点では同じです。

ただ、残価設定型ローンの場合に注意しておかなければならないのが、下取り価格です。残価設定型ローンは、契約終了時に自動車を下取りに出す場合の金額をあらかじめ設定しています。

しかし、その金額はあくまで事故などがなかった場合のものです。

一般的に、事故車は下取り価格が大きく下落してしまいます。そのため、価値が下落してしまった分は事故をしてしまったドライバーが負担しなければなりません。契約終了時にその分だけ支払が発生することになります。

現金で購入した場合や銀行の自動車ローンを利用している場合は、下取りに出した時に得られるお金が減るだけですが、残価設定型ローンでは追加の支払になりますから、家計へのダメージにもなりかねません

もらい事故にあってしまった場合は?

なお、もらい事故に遭ってしまった場合は、相手方の保険で対応することができます。

ただ、通常の交渉では「修理費用だけ」を請求することになります。この場合も、事故によって車の評価額が下がってしまった分は、ドライバーが負担しなければならないことになります。

過去の判例でその損失分の支払いを、事故を起こした側に支払うよう認められたことはありますが、これは特殊なケースでした。現に、普通に購入した自動車がもらい事故に遭った場合も、修理費用に加えて下取り価格の低下分まで含めて保険会社に請求できるケースはほとんどありません。

交渉する際に、保険会社の担当者に「下取り価格が下落する分の損害が発生する」ということを伝え、「修理費用+価格下落分」の賠償をしてもらえるかを相談することは可能でしょうが、今のところ、その成果はないと考えておくのが無難です

残価設定型ローンは途中解約できる?

残価設定型ローンも、普通の自動車ローンと同じ借入ですから、途中解約することは可能です。ただ、注意しておかなければならない点が2つあります。

残価設定型ローンでは通常、自動車の所有者(名義)がローン会社になっています。途中解約した場合には、名義をローン会社から自分に変更する手続きが必要です。これは、ローン会社が手伝ってくれるので、自分ですることはあまり多くないでしょう。

これ以上に注意しておかなければならないのが、ローンの残高を全て支払わなければならないことです。

残価設定型ローンでは、通常の自動車ローンよりも返済している金額が少なくなるため、ローンの残高があまり減っていません。途中解約しようと思っても、その際に、下取り価格だけではカバーできないローンの残高が多くなってしまうのです

下取りに出さず買い取るのであれば、ローンの残高全額を支払うことになります。

当然ですが、その支払いができなければ、途中で解約することはできません。もし、途中解約するかもしれないのであれば、どれくらいの支払が必要になるのかを事前に確認しておくようにしましょう。

「残価設定型クレジットの途中解約について」

中古車でも残価設定型ローンは利用できる?

中古車でも残価設定型ローンは利用可能です。

以前はほとんど利用することができなかったのですが、近年、中古車を対象に入れるローン会社が増えてきました

しかし、どんな中古車でも利用できるわけではないので、購入を検討する際に、残価設定型ローンが使えるのかどうかを確かめておくようにしましょう。せっかく気に入った自動車が見つかったのに、残価設定型ローンが使えないからあきらめなければならないのは残念ですよね。

もう1点注意が必要です。

それは、残価の決め方についてです。新車と異なり、中古車は契約終了となった時点での残価が予想しにくく、「残価は○○万円」と明確に定められないケースもあります。

そうなると、買取・乗り換えに関わらず、契約終了の段階で中古車相場が下がっていると、追加の支払いを求められることもあります

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残価設定型ローンと銀行ローンの比較

ここで、残価設定型ローンと銀行の自動車ローンの比較をしてみましょう。

残価設定型ローンでの自動車の名義はローン会社になります。一方、銀行ローンは、自動車を購入するための資金を融資するものですから、自動車の名義は購入する人となります

残価設定型ローンでは、自動車の購入にあたってかかる車体価格以外の費用(自動車税・自動車重量税など)を別途支払わなければならないケースが多くなっています。

つまり、手元に資金があまりなく、毎月の支払額を抑えたくて残価設定型ローンを使いたいのに、初期費用として車体価格の10~20%近い費用を支払わなければならないのです。

銀行ローンでは、これらの初期費用も含めて借入することができるため、まとまった資金を用意する必要がなく、毎月の返済のみで自動車を購入することができます

また、銀行ローンの場合は、住宅ローンなど、銀行との取引状況に応じて金利の優遇が受けられるケースもあります。

住信SBIネット銀行の「MR.自動車ローン」では、同銀行での住宅ローンの残高があれば1.0%、カードローンの契約やSBI証券の口座があれば0.5%の優遇が受けられます。キャンペーンを行っていれば、さらなる優遇金利になることもあります。

「マイカーローン金利を比較!FPが教える おすすめローン」

こんな場合はダメ!残高設定型ローンの利用に注意が必要なパターン

ここまで、残価設定型ローンについて注意しておくべきことを書いてきました。では、具体的にはどのような場合には利用に注意が必要なのでしょうか。具体的な例を使って説明しましょう。

当然ですが、自動車は全額キャッシュで購入するのが一番安くつきます。そのため、ここでは、通常の自動車ローンと比べて、残価設定型ローンの利用に注意が必要なパターンをまとめています。

次々と車を買い替えるのではなく、1台の車に長く乗りたい人は、残価設定型ローンを利用するのに向いていません

残価設定型ローンを利用して1台の車に長く乗り続ける場合は、契約終了時点で下取りに出すのではなく、自動車を買い取ることになります。その際に、残価の支払が必要です。

途中解約のところで書いたのと同様に、契約終了時点で自動車を買い取る場合も、あらかじめ決められた残価として比較的まとまった金額が必要になります。その資金を用意できないのであれば、あらたにローンを組んで返済しなければならないでしょう。

そうなると、残価設定型ローンの間は自動車ローンよりも高い金利で少しずつ返済し、契約終了後も別のローンで金利とあわせて返済していくことになります。

ということは、始めから通常の自動車ローンを借りて自動車を購入した方が、総返済額が安くなることが多いでしょう

契約終了後に買い取るつもりがあるのなら、通常の自動車ローンと比較して、毎月の支払額と総返済額の差を確認して、どちらがよいかを確認しておきましょう。

残価設定型ローンはディーラーや販売店がキャンペーンを行い、特別に安い金利が設定されている場合もあります。もちろん、車種や契約方式などの条件はありますが、キャンペーン金利を活用できる場合は、通常の自動車ローンよりも、契約終了後に買い取った方が得をする可能性もあるからです。

自動車をキャッシュで購入するほどの資金はないけれども、頭金を差し入れられるのであれば、通常の自動車ローンの方が有利になることが多いでしょう

頭金を差し入れることができれば自動車ローンで借り入れる金額が少なくなるので、その分だけ金利負担が少なくなります。そのため、頭金ゼロの残価設定型ローンと比べると、頭金を差し入れた自動車ローンの方が、非常に有利な契約だと言えます。

残高設定型ローンでも頭金を差し入れる場合があります。

この場合も、頭金を差し入れている方が金利負担は小さくなります。総返済額にどの程度の差があるかを確認しておきましょう。なお、頭金の有無にかかわらず、残価設定型ローンの最終回の支払額は同じです(下取りに出して乗り換える場合は負担なし)。

ローンを組む金額をできるだけ少なくするには「頭金を多く入れる」「値引き交渉する」といった選択肢があるかと思います。下で紹介する記事では「新車の値引き交渉」を有利に進める方法を現役ディーラーに聞いています。

「新車の値引き交渉術!現役ディーラーが教えます」

残価設定型ローンでは、契約期間終了後に自動車を下取りに出す際の残価が決められています。その残価が決まっているので、契約終了時に、下取り価格である残価でローン残高を一括で返済することができます。

しかし、設定されている残価は、あくまで丁寧に使っている場合の価格です

事故を起こした場合はもちろんのこと、キズやヘコミがある自動車であっても同じ価格で引き取ってもらえるわけではありません。修理にかかる費用分は残価から差し引きされます。

そして、その分だけ契約終了時にドライバーに請求されることになります。修理費用は、ローン会社が規定するルールに従って計算されるでしょうから、自分で修理工場に依頼するよりも高い金額が差し引きされる可能性もあるでしょう。

契約終了時に支払が発生する可能性があるため、キズ・ヘコミに備えて、任意保険の車両保険に加入しておくべきでしょう

一切傷をつけずに契約期間を終わらせられると言い切ることはできないでしょうから、保険で備えておくのが賢明です。

なお、自賠責保険だけで自動車事故に関するすべてのリスクを回避することはできません。FPの立場からすると、自動車に乗るのであれば、任意の自動車保険は必ず用意しておくべきだと言えます。

「こんな自動車に乗りたい」というこだわりがある人も、残価設定型ローンの利用に向いていません。

「月々の支払額を1,000円増やせば、あこがれのあの車に乗ることができる」と思って、自分の収入に見合っていないハイグレードな車に乗ろうとしてしまうかもしれないためです。

毎月の返済額が少ないように見えても、長い目で見れば大きな出費です。

また、「一度生活レベルを上げてしまうと、節約するのは難しい」と言われるのと同じように、次に乗り換える自動車も同じように高価なものを選んでしまい、結局は、高い自動車を購入した以上の出費になってしまうかもしれません

他に、自分好みのカスタマイズに限界があるということも、利用に向いていない理由です。

残価設定型ローンで乗っている自動車はローン会社名義になっているため、購入後に自分の好きなようにカスタマイズすることはできません。あくまで、購入時につけられるオプションしか選択できず、自分でカスタマイズしてしまうと下取り価格の大幅減額につながり、契約終了時に支払が発生してしまいます。

残価設定型ローンにはメリットもある

もちろん、残価設定型ローンにはメリットもあります。

1番のメリットは、月々の支払額が安く済むため、まとまった資金が手元にない人であっても自動車に乗ることができるということです。また、通常の自動車ローンと異なり、契約終了後に自動車を下取りに出すのであれば、その分だけ毎月の返済額を小さくすることも可能です

これに付随するメリットが、車検をする必要がない場合があることです。

3年間の残価設定型ローンであれば、新車の初回車検である3年まで使うため、車検に出す必要がありません。ただ、これは「車検費用がかからない」という意味ではないでしょう。

下取りに出した車は、3年車検を通さないと中古車として乗ることができないため、車検の費用を考慮した上で下取り価格が決められているはずです。「車検に出して、その間は代車を利用する」といった手間がかからないだけだと理解しておきましょう。

そして、3年ごと、5年ごとに新車に乗ることができるというのもメリットですね。

すでに残価設定型ローンを利用している場合、デメリットへの対策をしたいのであればどのような方法があるのでしょうか。

「残価設定型クレジットで契約した車の車検や自動車税について」

残価設定型ローンを一括返済する

まず考えられるのが、ローンを解約してしまうことです。前述の通り、残価設定型ローンでも普通のローンと同じように解約することができます。

ただ、毎月の支払額を少なく抑えていた分だけ、解約時に支払う金額が大きくなるのがデメリットです

自動車を使わなくなったのが理由で一括返済を考えているのであれば、下取り価格に注意しましょう。ローン会社やディーラーの下取り価格をそのまま鵜呑みにして、残りの金額を支払ってしまうのは避けましょう。

その際には、いろいろな業者に下取り価格の見積もりを取ることをおすすめします。

ディーラーなどが出してきた下取り価格を引き上げることはできませんが、複数の業者に見積もりしてもらうことで、下取り価格が適正かどうかを調べることができます。

また、出てきた見積もりを比較した上で、さらに交渉することもできるでしょう。運よく中古車価格の相場が上昇しているときであれば、一括返済に必要な金額以上の売却価格になることもあるかもしれません。

一方、自動車をそのまま使い続けるために買い取るのであれば、それだけの資金を用意しておかなければなりません。

一括返済できるだけの資金があるのなら、始めから現金支払いで購入するか、頭金を支払ってローンを組んでいるでしょうから、買取で一括返済するのはなかなか難しいでしょう。一括返済が難しい場合は、ローンの借り換えを検討することになるでしょう

「愛車は下取りと買取どっちがお得?中古車査定の大きなメリット」

残価設定型ローンを借り換えするメリット

残価設定型ローンを借り換えする目的は、金利負担を減らすことです。

借り換えにあたって、今契約している残価設定型ローンよりも金利が下がれば、利息の負担が減ります。また、金利が大きく下がるのであれば、借入期間を長くしても、毎月の返済額を抑えることができるかもしれません。

ただ、新しくローンを組むには、手数料などがかかります。金利が少しでも下がればいいということではなく、手数料などの諸費用を支払った分も含めて、総返済額が減るかどうかを確認しておきましょう。

銀行ローンで借り換えした場合

残価設定型ローンを年利3.5%で借りていた場合、借り換えするときの金利が年利3.0%になるのであれば、その金利負担が減る分と借り換えにかかる手数料を比較して、減る分が多ければメリットがあります。

住信SBIネット銀行の「MR.自動車ローン」で優遇金利が受けられる場合は、住宅ローンの残高があればさらに1.0%金利が引き下げられるため、金利が3.5%から2.0%まで下がる分の金利負担軽減分との比較で考えることができます。

銀行ローンで借り換えをする場合は、いかに金利を下げるかと借り換え手数料の安さが重要です。より有利な条件で借りられる銀行を見つけることが大切です。

このように、残価設定型ローンには、ローン会社が話したがらないデメリットもたくさんあるのです。

残価設定型ローンで自動車に乗ってもらえれば、自動車メーカーは車の販売台数が多くなるという利点があるのです。だからこそ、デメリットについてしっかりと理解して、残価設定型ローンが自分にとって本当にいい購入方法なのかを考えましょう

特に、残価設定型ローンにするべきか銀行の自動車ローンを活用するべきかを判断することが大切です。しっかりと比較するのは大変かもしれません。ローンを利用して自動車に乗る場合、毎月の費用は安いものかもしれませんが、自動車そのものは高い買い物です。あわてず、じっくり検討するようにしましょう。

銀行でお金を借りる場合はこちらも参考に!
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