
学校の費用ともなりますと非常に高額です。
数百万円はあたりまえですし、多いと1,000万円近くになったりします。そのため、「ろうきん(労働金庫)の教育ローンを検討している」という人も多いかと思います。
そこで今回は、ろうきんの教育ローンの特徴やメリット&デメリットについてわかりやすく解説してみました。
この記事を読んでもらえれば、ろうきんの教育ローンがどのようなものなのかを知ることが可能です。
「ろうきんの教育ローンに興味がある」という人や、「どんな特徴があるのかや、メリットとデメリットを知っておきたい」という人は是非お読みください。
ろうきんの教育ローンはどんな特徴がある?
ろうきんの教育ローンの特徴は各労働金庫によってことなります。ただし、似ている部分は多いです。そこで今回は「中央労働金庫の教育ローン(証書貸付型)」を基準に解説していきます。
中央労働金庫の教育ローン(証書貸付型)の詳細
融資金額 | 1万円以上1,000万円以内(1万円単位) |
---|---|
金利 | 変動金利 年2.200%・年2.400% 固定金利(10年以内で借入) 年2.400%・年2.600%・年3.400% 固定金利(10年以上で借入) 年2.900%・年3,100%・年3.900% |
使いみち | 教育関連資金 |
返済期間 | 最長15年 |
担保 | 不要 |
借入額は年収に占める「年間返済額の割合の30%以内」
中央ろうきんの教育ローンの場合、借入額は1万円以上1,000万円以内(1万円単位)となっています。
しかし、実際に借り入れできる金額は年収に占める「年間返済額の割合の30%以内」です。
年間返済額の割合の30%以内というのは、例えば年収が600万円であれば、年間返済額の30%は200万円になります。よって、借入できる金額は200万円が上限です。
年間返済額の30%には他の借り入れ(住宅ローンやマイカーローン、カードローンなど)の返済額も含まれますので注意しておきましょう。
金利は「変動金利」か「固定金利」から選ぶのが一般的
ろうきんの教育ローンの場合、金利は「変動金利」か「固定金利」のどちらかを選ぶことが多くなっています。中央ろうきんもこのタイプで、それぞれの詳細は以下のとおりです。
変動金利
変動金利は年2回金利が見直され変動する方式です。その時の金融情勢などによって金利が決定しますので、借入時と金利が変わる可能性があります。
固定金利
固定金利はその名のとおり、借入時の金利が返済終了まで採用される方式です。変動金利とはことなり、金利変動のリスクはありませんが、金利は変動金利よりも若干高くなる傾向にあります。
団体会員の構成員か生協会員だと金利が優遇される!
ろうきんの教育ローンの場合、「団体会員の構成員」か「生協会員の組合員とその家族」であれば、金利が優遇されるケースが非常に多いです。中央ろうきんの場合も金利優遇があり、以下のようになっています。
団体会員の構成員 | 協会員の組合員および同一生計家族 | 左記以外の一般の勤労者 | |
---|---|---|---|
固定金利(10年以内で借入) | 年2.400% | 年2.600% | 年3.400% |
固定金利(10年を超えて借入) | 年2.900% | 年3.100% | 年3.900% |
変動金利 | 年2.200% | 年2.400% | 選択不可 |
ろうきんの教育ローンは上記のように、団体会員の構成員か生協会員の組合員とその家族であれば、一般の勤労者よりも金利が低くなることが多いです。
団体会員の構成員とは労働金庫に出資している、労働組合・国家公務員・地方公務員等の団体の構成員の人を指します。
生協会員の組合員およびその家族とは、労働金庫に出資している生協のうち、生協組合員融資制度を導入している生協の組合員および、その家族の人のことです。
この2つのどちらかに当てはまる人は金利が優遇されるケースが多くなりますので、利用をするメリットが非常に高くなります。
ろうきんの教育ローンは使いみちが幅広い
ろうきんの教育ローンは使いみちが幅広く、中央ろうきんの場合では以下のような用途で利用できます。
- 小学校から大学・専門学校までの受験料や入学金
- 授業料
- 学用品
- 下宿の敷金・礼金
- 留学費用(6ヶ月以上滞在)
- 教育ローンや奨学金の借り換え(団体会員のみ)
入学金や授業料だけでなく、学用品(教科書やランドセルなど)を買う費用としても借り入れすることができます。その他にも、団体会員であれば、教育ローンや奨学金の借り換えとしても利用できます。
担保などは必要なし
ろうきんの教育ローンは基本、担保や保証人などは必要ありません。中央ろうきんの場合も担保や保証人は必要なく、本人の信用のみで借り入れが可能です。
ろうきんの教育ローンのメリットとデメリット
ここからは、ろうきんの教育ローンのメリットとデメリットをお伝えしていきます。まずはメリットからみていきましょう。
ろうきんの教育ローンのメリット
ろうきんの教育ローンには次のようなメリットがあります。
条件を満たせば金利が優遇されることが多い
先にもお伝えしたとおり、団体会員の構成員か生協会員の組合員とその家族であれば、金利が優遇されるケースが多いです。
中央ろうきんの固定金利(10年以内)の場合、一般の勤労者は年3.400%の金利ですが、団体会員の構成員は年2.400%、生協会員の組合員とその家族は年2.600%まで金利が下がります。
教育ローンは借入する金額が高額になるケースが多いので、金利が少し下がるだけでも大きく利息を減らすことが可能です。そのため、金利が優遇されるのは非常に大きなメリットです。
学校提携のローンより低金利
ろうきんの教育ローンは、学校提携の教育ローンよりも低金利で借り入れできるケースが多いです。
多くの学校は信販会社と提携して、教育ローンを用意していますが、金利は高めになる傾向があります。学校によっては年5.00%を超えるケースもありますので、ろうきんのほうがずっと低金利で借り入れできます。
使いみちが広い
ろうきんの教育ローンは使いみちがかなり広いです。入学金や授業料はもちろんのこと、教科書や制服などの学用品、他の教育ローンの借り換えなどにも利用できるケースがほとんどです。
ろうきんの教育ローンのデメリット
ろうきんの教育ローンには次のようなデメリットがあります。
地域制限がある
ろうきんの教育ローンには地域制限があります。よって、誰でも利用できるわけではありません。利用できるのは、申込み先のろうきんの「営業エリアにお住まいか勤務先がある人のみ」です。
例えば、中央ろうきんの場合ですと茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・山梨県に、自宅もしくはお勤め先がある人しか利用できません。
年収制限と勤務年数がある
ろうきんの教育ローンには、年収制限と勤務年数の条件があることがほとんどです。
中央ろうきんの場合ですと、前年税込み年収が 150 万円以上あり、同一勤務先に 1 年以上勤務している人(自営業者等の給与所得以外の人は原則として 3 年以上)しか申し込めないようになっています。
こうした条件がありますので状況によっては利用できないケースも多いです。
ろうきんの教育ローンはどんな人が申込めるの?
ろうきんの教育ローンは年収や勤務年数などの条件を満たせば、基本的にどなたでも申し込むことが可能です。実際にどのような人が申込めるのか、中央ろうきんの教育ローンを例にして確認してみましょう。
中央ろうきんの教育ローンの申込条件
中央ろうきんの場合、「中央労働金庫に出資のある団体会員の構成員」か、「ご自宅もしくはお勤め先(事業所)が中央労働金庫の事業エリア内にある人」で、次の条件に全て該当する人が申し込めます。
- 申し込み時の年齢が満18歳以上で、最終返済時が満76歳未満の人
- 同一勤務先に1年以上勤務している(自営業者等の給与所得以外は原則として3年以上)
- 年収(前年税込み年収)が150万円以上
- 金庫所定の保証協会の保証を受けられる人
中央ろうきんの場合、上記の条件を満たせば申し込みが可能です。注意すべきは地域制限と年収、勤務年数くらいかと思います。他のろうきんの教育ローンの申込条件も大きな違いなく、大まかな部分は似ています。
ろうきんの教育ローンに必要な書類
教育ローンの審査を受けるには、「本人確認」や「収入証明」などの書類が必要になってきます。中央ろうきんの教育ローンの場合ですと、次のような書類が必要になります。
- 本人確認書類(運転免許証や健康保険証など)
- 収入証明(給与証明書や源泉徴収票など)
- 勤続年数確認書類(健康保険証や給与証明書など)
- 普通預金口座の届け出印
- 資金使途証明書類(入学証明書や在学証明書、学生証など)
書類を用意するときは、現時点で有効なもの(最新のものや期限内のもの)を必ず用意するようにしてください。そうでないと無効になってしまい、再度用意する手間が発生してしまいます。
ろうきん教育ローンの審査はどのようにされる?
審査はクレジットカード等とおなじ「スコアリング」によって決定します。申込時に申告する年収や職業などの個人情報、「信用情報機関」への照会などによって、返済能力をスコア化して、審査の合否が決定されます。
一般的に次のような項目が重視されていると言われています。
- 年齢
- 年収
- 勤務先
- 勤続年数
- 職業
- 家族構成
- 住居形態
- 他社からの借入金額・件数
- 過去の返済履歴
これらの項目ひとつひとつがスコア化され、その合計スコアによって審査の合否が決定されることになります。
審査は厳しめになると覚悟しておこう
教育ローンは借り入れする金額が大きくなるケースが多いです。数百万円はざらで、多いときは1,000万円近くになることもあります。そのため、審査はかなり厳しくなります。
ろうきんの教育ローンは金利が低いため、もともと審査の難易度はかなり高いです。そこに高額の借入額が加わるのですから、審査は相当厳しくなると覚悟しておきましょう。
申し込みの流れはどんな感じになる?
申し込みの流れは、利用するろうきんによって多少ことなります。しかし、大きな違いありません。中央ろうきんの場合ですと以下のような感じになっています。
- 仮審査の申し込み
- 仮審査
- 仮審査結果の通知
- 正式な申し込み
- 融資の承認・決済
- 融資の実行
まずは仮審査に申し込むことになります。申し込みが完了しますと、仮審査が開始され、後日審査結果の通知がされます。その後、必要書類を用意して正式な申し込みをします。
必要書類を提出しましたら、その書類をもとにろうきん側が審査をし、融資するかを決定します。無事に融資決定となりましたら、口座に融資の実行がされます。
中央ろうきんの場合、申し込みの流れはこのような感じになります。他のろうきんも大きな違いはありませんので、似たような感じになるかと思います。
ろうきん教育ローンの利息をシュミレーション
ローンを組むときは事前に利息がいくらになるか知っておく必要があります。そこでこの章では、利息をシミュレーションしてみましたので参考にしてください。
今回は中央ろうきんの教育ローンで500万円借り入れするとして、返済期間を10年と15年の場合にわけてシミュレーションしています。
返済期間10年の場合
金利 | 利息 |
---|---|
年2.200% | 1,100,000円 |
年2.400% | 1,200,000円 |
年2.600% | 1,300,000円 |
年3.400% | 1,700,000円 |
返済期間15年の場合
金利 | 利息 |
---|---|
年2.200% | 1,650,000円 |
年2.400% | 1,800,000円 |
年2.900% | 2,175,000円 |
年3.100% | 2,325,000円 |
年3.900% | 2,925,000円 |
シミュレーション結果をご覧のとおり、返済期間が長くなると利息が大きくなります。例えば、金利が2.400%のケースですと10年の場合は1,100,000円ですが、15年になると1,650,000円に増加しています。
こうしたことから、利息をおさえるにはなるべく返済期間を短めにする必要があります。ただし、そうしますと月々の返済負担が増加するため、ご自身の収入とあわせてバランスを考える必要があります。
まとめ
ろうきんの教育ローンのもっとも大きな特徴は、団体会員の構成員か生協会員の組合員とその家族なら、金利が優遇されるケースが多いことです。
ろうきんの教育ローンはただでされ低金利な傾向にありますので、そこからさらに金利が下がるのですからメリットは非常に大きいです。
こうしたことから、団体会員の構成員か生協会員の組合員とその家族であれば、ろうきんの教育ローンを検討するのはよい手かと思います。