教育費の中でも負担が大きい大学費用は、一体いくらくらい必要なのでしょうか。

ひと口に大学費用と言っても、大学が私立か国公立か、また学部が文系か理系かによっても変わってきますよね。また、最近では大学費用が無償化になるというニュースもあります。「結局、大学費用はいくらぐらいかかるの?」「学部別の平均額や目安が知りたい!」と思っている人もいるでしょう。

そこで当記事では、

  • 大学費用にはどのような費用があるのか
  • 学校別・学部別の大学費用平均額はいくらくらいなのか
  • 各家庭で大学費用の準備や捻出はどうしているのか
  • 大学費用無償化の内容はどうなっているのか

など、大学費用に関して気になる話題を徹底的に解説していきます。

そもそも大学費用には、どんな費用があるの?

そもそも、一般的に言われる「大学費用」にはどのような費用が含まれているのでしょうか。

実は、「教育費」や「大学費用」といった言葉には明確な定義はありません。そのため、教育費や大学費用を紹介するデータによって、含まれている費用に違いがあるので注意が必要です。

たとえば、大学費用を紹介するデータが2つあるとします。

  • 大学の入学料や授業料のみを記載
  • は大学への通学費や自宅での学習費用もあわせて記載

上記のようなデータがあった場合、同じ「大学費用」でも平均額には大きな開きが出てきますよね。しかし、当記事を読んでいる方の多くは「できるだけ大学進学でかかる費用をまとめて教えてほしい」という人が多いのではないでしょうか。

そこで当記事では、以下の3つの費用すべてを含めた大学費用をご紹介しています。

学校関連費用
おもに大学での学習に対して支払う費用。学校納付金や授業料、教科書代、設備仕様費など
通学費用
大学へ通学するための通学費用。電車・バスの定期代や自動車通学時のガソリン代など
家庭関連費用
大学の学習を補助するための家庭学習費用。塾や家庭教師の費用、参考書の購入費など

これからご紹介する大学費用は上記の費用すべてが含まれています。ただ、通学費用や家庭関連費用は各家庭の環境によって大きく変動する費用のため、実際には平均額より大学費用が安くなる家庭もあれば、高くなる家庭もあるでしょう。

平均額はあくまで目安として、実際に大学費用を準備する際は子どもの進路や各家庭での環境を加味して考えることが大切です。

学校別・学部別の大学費用平均額

学校別・学部別の大学費用平均額を見てみましょう。学校関連費用、通学費用、家庭関連費用をすべて含めて「大学生活にかかった費用の平均額」をご紹介します。

国公立大学

国公立大学の大学費用平均額は、4年間で総額503万2000円です。

国公立大学の学費平均
入学費用(学校関連費用のみ) 69万2000円
在学費用 108万5000円
年間の費用 177万7000円(入学した年)
108万5000円(他の年)
4年間の総額 503万2000円

※在学費用には「学校関連費用」「通学費用」「家庭関連費用」を含む

国公立大学なので全体的に費用は抑えられているものの、それでも4年間毎年100万円以上の大学費用がかかっています。国公立と言っても、大学費用の負担は決して軽くないことがわかります。

私立大学文系

私立大学文系の大学費用平均額は、4年間で総額738万1000円です。

私立大学文系の学費平均
入学費用(学校関連費用のみ) 92万9000円
在学費用 161万3000円
年間の費用 254万2000円(入学した年)
161万3000円(他の年)
4年間の総額 738万1000円

※在学費用には「学校関連費用」「通学費用」「家庭関連費用」を含む

私立大学文系になると、私立ということもあって国公立大学より200万円以上大学費用が高くなります。入学初年度の支払いは254万円と、ちょっと良い車が一括で購入できるレベルです。大学に入学する年はマイホーム購入や車の購入に次ぐレベルで費用がかかる年だということがよくわかりますね。

私立大学理系

私立大学理系の大学費用平均額は、4年間で総額807万8000円です。

私立大学理系の学費平均
入学費用(学校関連費用のみ) 87万円
在学費用 180万2000円
年間の費用 264万2000円(入学した年)
180万2000円(他の年)
4年間の総額 807万8000円

※在学費用には「学校関連費用」「通学費用」「家庭関連費用」を含む

私立大学理系の大学費用は、私立大学文系より総額約70万高くなります。国公立大学の学費と比べるとその差額は300万円以上です。大学や学部によって、大学費用はこれだけ違うのだということがよくわかるのではないでしょうか。

上記でご紹介した大学費用は「自宅から通学をした場合」の大学費用です。もし自宅から離れた土地の大学へ進学する場合は、一人暮らしや下宿をするための初期準備費用、日々の生活を支えるための仕送り代などが別途かかります。

また、大学中に海外留学をしたり、留年したりすると大学費用はさらに膨れ上がります。

大学費用の平均額を見るときは、「最低限の目安」として考えておき、さらに出費がふくらむ可能性も考慮しておきましょう。

参考:日本政策金融公庫「平成29年度 教育負担の実態調査結果」

「私立大学の学費を徹底解説!4年間の学費の平均は?」

大学費用の準備はどうする?

大学費用の準備は、どのようにすれば良いのでしょうか。各家庭で大学費用をどのように捻出しているのかの調査を、下記の表にまとめました。

順位 割合 捻出方法
1位 32.5% 特になにもしていない
2位 30.4% 教育費以外の支出を削っている(節約)
3位 22.8% 預貯金や保険などを取り崩している
4位 19.4% 子ども(在学者本人)がアルバイトをしている
5位 19% 奨学金を受けている
6位 9.7% 残業時間やパートで働く時間を増やすようにしている
7位 9.5% 共働きを始めた
8位 6.6% 親族から援助してもらっている
9位 3.9% 国の教育ローンを借り入れしている
10位 2.7% 民間金融機関の教育ローンを借り入れしている

※複数回答のため、割合の総和は100%を超えます

参考:日本政策金融公庫「平成29年度 教育負担の実態調査結果」

大学費用の捻出方法として、もっとも多い回答は「何もしていない」というものでした。意外ですよね。しかし、上記のデータでは何もしていない理由が十分な収入があるからなのか、それともただ計画性がないだけなのかがわからないので何とも言えません。

今までお伝えしてきたとおり、大学費用は国公立大学でも年間100万円以上かかります。

何もしていない家庭を参考にするより、2位の「節約」や3位の「預貯金、保険から取り崩す」方法を現実的な準備方法ととらえ、参考にするほうが良いでしょう

「郵便局(かんぽ生命)の学資保険のメリット・デメリット」
「ソニーの学資保険とは?学資保険スクエアを詳しく解説!」

大学費用無償化の内容とは?対象世帯は少ない?

大学費用を考えるうえで欠かせないのが、2020年実施予定の「大学費用の無償化(高等教育の無償化)」です。この大学費用の無償化は

  • 対象になるのは一部の世帯だけ
  • 大学費用すべてが無償になるわけではない

という点に注意が必要です。下記の表に大学費用無償化(高等教育の無償化)の内容についてまとめています。

無償化の対象となる学校

大学・短期大学・専門学校・高等専門学校

無償化の対象になる世帯

世帯 住民税非課税世帯および、それに準ずる学生がいる世帯で、いずれも明確な進路意識や学びの姿勢がある学生が対象。

ただし、住民税非課税世帯になる基準は年収や家族構成で異なります。

両親+子ども2人(うち1人が学生、1人が中学生)の4人家族で世帯主が会社員の場合、年収270万円以下が住民税非課税世帯になる水準

また、住民税非課税世帯に準ずる世帯の学生については、住民税非課税世帯の3分の2~3分の1の支援となります。

無償化の内容

授業料等減免制度の創設

各大学で定められた上限額まで大学の入学金と授業料が減免される。下記は住民税非課税世帯の上限額です。

国公立大学
入学金 28万円まで(年額)
授業料 54万円まで(年額)
私立大学
入学金 26万円まで(年額)
授業料 70万円まで(年額)

給付型奨学金の拡充

日本学生支援機構より、大学の種類や自宅外通学の有無に応じて定められた上限額まで給付型奨学金を支給。下記は住民税非課税世帯の上限額です。

国公立大学
自宅通学 35万円まで(年額)
自宅外通学 80万円まで(年額)
私立大学
自宅通学 46万円まで(年額)
自宅外通学 91万円まで(年額)

上記の表を見てもわかりますが、大学費用のうち無償になるのは

  • 授業料や入学金のうち、年28万円~70万円まで
  • 生活費などに使える奨学金が年35万円~90万円まで

です。でも、実際の大学費用はもっとかかりますよね。

国公立大学の入学費用は70万円弱で、年間の在学費用は約109万円です。つまり、大学費用の無償化(高等教育の無償化)は「無償化」と言いながら無償になるのは大学費用の一部だけなのです

また、無償化の対象世帯は基本的に住民税非課税世帯なうえ、「明確な進路意識や学習意欲がある生徒」というはっきりしない条件が基準になっているのがやっかいです。大学費用の無償化については「対象になったらラッキー」ぐらいに考えておき、大学や自治体が独自に行う奨学金など、他の支援制度の有無も調べておくことをおすすめします

独立行政法人 日本学生支援機構「大学・地方公共団体等が行う奨学金制度」

まとめ

大学費用の内容や平均額、準備方法から無償化の内容までお伝えしてきました。大学費用に関する重要なポイントは、以下の4点です。

  • 大学費用の平均額は国公立で約503万円、私立は学部により約738万円~約808万円かかる
  • 大学費用には授業料や入学料の他に、通学費用や家庭学習費などがある。それぞれの平均額を知っておくことが大切
  • 大学費用の捻出は節約したり預貯金・保険などを取り崩したりするのが現実的
  • 大学無償化は対象条件が厳しいうえに一部しか無償にならない!他の奨学金制度なども調べておくことが大切

もっとわかりやすく要約すると、「どんな大学でも大学費用は何百万円とかかるので、無償化はあまりあてにせずコツコツ貯蓄したり学資保険を貯めたり節約したりして、大学費用を準備することが大切」ということですね。

大学費用はとにかくお金がかかります。コツコツ準備するのが一番ということを忘れず、大学費用に備えてくださいね。

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